まーしー

ピラニアのまーしーのレビュー・感想・評価

ピラニア(1978年製作の映画)
3.0
軍の研究施設で品種改良されたピラニアが川に放流され、人々を襲うB級モンスターパニック。

『ジョーズ』のピラニア版と言えるだろう。
人に迫る水中のカメラアングル、反対派を押し切って川開きをする市長、ピラニアに襲われ逃げ惑う人々など、『ジョーズ』と重なる部分は多い。監督が同作の影響を受けたことは間違いない。
ただ、数多くのピラニアがゴボゴボ、シャカシャカという効果音とともに人を噛んでいく様子は、サメほどのインパクトはない。『ジョーズ』と比べ地味な印象は拭えないだろう。

とは言え、B級映画ながらも、それなりに楽しめる内容。
ピラニアだけを描くのではなく、科学者や市長など、各々の立場で意見が食い違うところもおもしろい。
決して単調な物語ではないと思う。

1つ注文をつけるとすれば、主人公たちの勝手な行動が原因で、ピラニアが世に放たれたことだろうか。
主人公たちに「自業自得」という印象が付きまとい、その後の活躍にも共感しにくかった。
誰か第三者を悪者にしても良かったように思う。

エリザベス・シュー主演によるリメイク版もあり、そちらはエログロに振り切っていた。そのせいか、本作はまだ硬派な印象を持った。