思わず屈服してしまうのも納得のセクシー・エヴァ様演じるエル、そんな彼女に翻弄され気づけば共依存とも言える関係になってしまう主人公デルフィーヌ。しかしこれは熱烈なファンと作者という話でも、ただのコピーキャットのような話でもない。病んで孤独で複雑でしたたかで苛烈で謎を孕んだ女達の物語です。
デルフィーヌはマニッシュ、エルはセクシーな装いなのですが、この2人の服装や髪型の変化を含めて物語をラストまで見ていくのも面白いです。
脚本のオリビエ・アサイヤスは「アクトレス」でも2人の女性の絶妙な距離感を描いていたけれど、今作でも女の友情と時に親密すぎる近さや脆さ等の複雑な関係を描いていたと思います。