あやっぺ

私をくいとめてのあやっぺのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.4
脳内アドバイザーAとの会話が多いので、のんの喜怒哀楽ほぼ一人演技のオンパレード!見ものです!

「勝手にふるえてろ」は「痛い、痛いけど共感できる・・・」だったのが、今作は「分かる、分かるよ・・・」と共感というより30代の実感との距離感の近さがありました。

お一人様って楽ちん、一人でも色々エンジョ〜イできちゃうみつ子。
でも一人が好きなくせに、親友がアッサリ結婚なんてしちゃって国外へ移住なんてしちゃうと、実は凄く嫉妬する。自分だって本当は・・・て思ったり、取り残されたような気がして。

そして"一人は楽ちん”の裏に他人と関わるのが怖いという気持ちも分かるよ。
だから色々語り合えるのは脳内アドバイザーA(つまり自分)という、完全に自己完結で安全な所で生きている。

他人と付き合うのは努力がいる。傷付くこともある。みつ子のフラッシュバック&ドデカい一人言で語られるのは、かつて他人に傷付けられた記憶。傷付いても自分は我慢して我慢して我慢して、そうして自分自身(A)との対話で過ごす安全地帯が残った。

だけどみつ子は多田くんと出会って、恋をして、少しずつその安全地帯から抜け出して行こうとしている。恋って凄いね。
でも好きなのに距離感分からない!怖い!と離れたくなってパニックになる気持ちも分かるよ。 また一人になれば楽なのに、と躊躇する気持ちも分かるよ。

もどかしいけど、Aという自分自身から離れて他人と歩いて行こうともがいているみつ子が愛おしく思えました。
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