ニクガタナ

多十郎殉愛記のニクガタナのレビュー・感想・評価

多十郎殉愛記(2019年製作の映画)
3.4
「ええじゃないか」が流行る幕末設定。京の出来事。長州脱藩浪人が愛のために命をかけるチャンバラ逃避行劇。20年ぶりにメガホン取った中島貞夫監督作品は他に観たことなく、本作だけ観る限り80超えての老練な演出とは言い難い。失礼ながら雑。チャンバラの美学を後世に残したかったようだが、やっぱり切り口から血が出ないと切ってるように見えないしなぁ…申し訳ないけど間抜けに見え、古臭い様式美にしか思えない。劇伴は二胡の響きが哀しみ湛え、安さ感じず頑張ってた。キャラの掘り下げが浅い。各々の動機目的がぼんやりしてて、高良健吾演じる主人公多十郎が画業営む設定が活かされずじまい。多部未華子演じるヒロインもなんでそこまで多十郎を愛し、尽くすのか分からず。でも和装日本髪が似合って色っぽく美しい。制作、配給に吉本が絡み、周りの町人が吉本の芸人なのかコメディー芝居が鼻につく。寺島進が京都見廻組隊長役でなかなかの貫禄と存在感。
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