KnightsofOdessa

チワワちゃんのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

チワワちゃん(2018年製作の映画)
5.0
[私の青春もこの映画みたく表層的で薄っぺらだったよ] 100点

大好き。チワワちゃんが失われた青春を示しているなら、私のチワワちゃんは爆発四散した上で誰にも発見されていない状態なんだろう。といった風に、むちゃくちゃ姿勢の悪い(というか猫背の)門脇麦のことなんかそっちのけで私の頭の中では私が失った時間をグルグル考えていた。そして高校三年の三月に「6才のボクが、大人になるまで」を観て感情が吹っ飛んだのと同じ様に、大学四年の三月にこの映画を見て感情が吹っ飛んだんだろうと思い立った。私は600万を三日で使い切るほどのパリピではないし、煙草は吸わないし酒も嗜む程度しか呑まない人間なので、その点彼らにしてみりゃ味のしない人生のように見えるかもしれないけど、人生の味なんて本人次第でしょうと言い訳しておこう。銃と麻薬が出てこなかったり、無駄に殴り合ったりしない時点で、こんなのまだクリーンな方だと分かるし、だからこそ少し近いとこにありそうで、それに手を伸ばそうとしなかった私が責められているようで悲しかった。テンポも悪いし表層的で薄っぺらいんだけど、私の青春も表層的で薄っぺらかったから、これも色々と指摘されているようで悲しかった。スローモーション使いすぎだろとも思ったけど、年間邦画鑑賞数4本とかなんで別に気にならなかった。あと、村上虹郎が学科同期にすっごい似ててニヤけてしまった。

映画としての出来はそんなによろしくないのは明白なんだけど、そのよろしくない出来が私の青春時代に呼応しているようで二重にやられてしまった。これに関して私は後悔してないってことは明記しておかねば。

追記
あのラストも正直安直な演出なんだけど、思い出す度に胸が締め付けられるのは、私がそろそろチワワちゃんと決別せねばならないからなんだろう。
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