ニクガタナ

止められるか、俺たちをのニクガタナのレビュー・感想・評価

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
3.5
69〜72年の若松プロで映画制作に情熱傾けた映画青年たちの実録青春群像劇。タイトルのイメージでアナーキーな映画野郎共が、無茶なゲリラ撮影とかで国家権力と闘う話かと思ったら違った。調達と言う名の万引きや、立ちションはすれども至って健全。白石和彌監督が若松プロ出身だとは知らず。白石監督らしさはあまり感じず。冒頭、現代の車も映りまくってたが、全篇通すと当時の雰囲気は良く出てたと思う。いい感じ。劇中で使用、再現される70年代若松プロ作品の舞台芝居のような台詞回しが時代感じる。同郷の若松孝二監督を演じた井浦新。宮城訛りは語尾に特徴あるでもなし、微妙なイントネーションの再現は難しかったろうが、ちょっとわざとらしい。知らない役者がみんないい味。主人公を演じた門脇麦のだらしない姿勢が上手い。初監督が決まった時の高揚感がいい。分かる。テメエに勝つか負けるか、負けるなめぐみ!女性二人夜の全裸プールシーンがキレイ。メッセージ無き表現に意味があるのか無いのか?昔の映画青年達は熱いし真面目だなぁ。本番とはフィルムを回すこと。フィルムを回せば現像代もかかる。デジタル撮影ネイティブにはその重みが分かんないだろうな。
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