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若おかみは小学生!のhirogonのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.0
原作は、令丈ヒロ子さんの児童文学シリーズ。
漫画版やTVアニメ版もあり人気作品のようです。
子どもさん連れのファミリー層が多かったので、シリーズの人気のほどが伺えます。

冒頭の事件の後、祖母の経営する旅館”春の屋”に住んで、思いもしていなかった若おかみ修行に励むことになった、小学生の”おっこ”こと関織子。
そんなおっこが、旅館の若おかみ修行の中でのお客さんとのやりとりや、小学校のクラスメイトとの交わりの中で、成長していく物語。

映像のクォリティーは高い。丁寧な背景描写は、物語にリアル感を与えています。
子ども向けを意識しつつも、大人が見ても心に響く作品になっています。
幽霊や小鬼が登場しますが、彼らの存在も物語の中で活きています。

おっこを中心に描かれる、人と人、人と幽霊などのドラマ部分の出来が良いので、感情移入してしまい、気づくと「おっこ、ガンバレ!」って心の中で応援しています。


(以下、ネタバレ)
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若おかみと言っても小学生ですから、休みの日に家業の手伝いをしている若おかみ候補っていう位置付け。
小学生だから、まだガチには働けません。

登場する幽霊と物の怪は、
ウリ坊~”春の屋”に住み着いている幽霊、
みよちゃん~小学校で初登場する幽霊、
小鬼の鈴鬼(すずき)~瓦職人が作った鈴の精。

みんな愛らしい。
ウリ坊はおっこと同じ年くらい、みよちゃんは幼稚園児くらいの外見。
鈴鬼は、可愛くてお茶目で食いしん坊。お笑い担当のいいキャラ。

クラスメイトの中で目立つのは、秋野旅館の若おかみ候補、”ピンフリ”こと秋野真月。
登場時の印象は、自己主張の強い嫌われキャラ?という感じでしたが、
勉強熱心で旅館や花の湯温泉の将来のことも考えている、クセは強いけど頑張りやさん。

お客さんも、色んな人たちが春の屋を訪れます。
おかみで祖母の峰子さん、仲居のエツ子さん、料理長のこうさん、たちに助けられながらお客さんをもてなす、おっこ。
そして、お客さんに喜んでもらうためにどうすればいいかのか?考えることが成長に繋がっていきます。


”花の湯温泉のお湯は誰も拒まない。全てを受け入れて癒してくれる。”

作品内で、何度か出てくるフレーズ。これは、本作のテーマの1つにもなっている。

ちょっと変わったお客さんも、気持ちよく受け入れる”春の屋”。
成り行きで”春の屋”の若おかみ候補になって、慣れない土地や友人たちと徐々に馴染んでいくおっこ。
そして、そんなおっこを陰になり日向になりながら助けていく、ウリ坊、みよちゃん、鈴鬼。

クスッとなる笑いと、
家族や友人やお客さんなどとの繋がり、
生きる力の拠り所、
などを描いたいいお話でした。
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