阪元裕吾監督によるバイオレンス悪趣味コメディ。祖父が認知症になり家庭が崩壊。一家を巻き込む大戦争へと突入していく。
本作と似たような映画を見たいなら「台風一家」がおすすめ。こちらよりも幾分かシリアスかつタブーで鬱レベルは高めだが、ぶっ飛んだラストが面白くも感じる。
阪元節炸裂の映画!登場人物ほぼ全員がキチガイ!あまりにも悪趣味すぎるがリアルでもあるキャラの描き方にセンスを感じる。
オナニー中毒の性犯罪者予備軍男
就活サボりパチンカスDV男
自殺願望高めの底辺陰キャJK
ゴリゴリ家父長のルール押し付けオヤジ
リアルすぎて見てらんないけど、段々と極端になっていくから笑えてくるのが良い塩梅。今の日本映画ってリアルを反映されていないんだなって感じた。詰め込みすぎて闇鍋でグロテスクに感じるけど、どれかしらの一部要素は自分に当てはまっちゃいそうでビクつく。てかうちの家族が祖母が認知症でみんな苛ついててファミリーウォーズ状態になりかけてる笑
そうしたリアルな描写から一転して、上記の極端になってくるキャラの描写も含めて徐々に非日常的要素を伏線として盛り込んでいく。そうして伏線をクライマックスで一気にぶちかまし、韓国映画も真っ青な血みどろ大乱闘スマッシュブラザーズが始まる。このスイッチが切り替わった瞬間のカタルシスとそこからの思いっきりの良さが最高すぎて笑える。スプラッタ満載で爆笑。
いきなりとっ散らかるんじゃなくて、しっかりと土壌を築いた上で自由奔放にとっ散らかるのが作家の自己中心的な作りではなくて、ちゃんと楽しませながら自分もやりたいやうにやるという意志を感じて丁寧だなって思った。
この家族が元々おかしかったのか、おかしくなっていったのかが序盤の崩壊前の描写不足でよく分からなかったのが難点だが、まあおかしかったんだろうな。長男の彼女と長女とお母さんは周りのせいで狂ってしまっただけでマトモだった。