Masato

ラスト・リペア・ショップのMasatoのレビュー・感想・評価

ラスト・リペア・ショップ(2023年製作の映画)
4.3

学生たちのために無償で楽器を修理する倉庫で働く人たち、そしてそれを受け取る人たちの人生を語っていく短編ドキュメンタリー。アカデミー賞受賞作品。

人間の温かみに触れる作品だった。かつて自分が苦労したことを次世代の若者たちに受け継がせないように努力し、そして音楽を嗜むことの夢と希望、楽しさだけを受け継がせるように努力する人たち。人を支えることの大切さを教えてくれる。そして自分を顧みる機会を与えてくれる。自分もこんな人になりたい。

受賞時のスピーチでは、この無償のリペアショップがロサンゼルスの学区で最後であるということの悲しみを訴えていた。音楽に限らず、恵まれない環境で育つ人たちを文化によって支えることがいかに大切であるか。文化(もとい芸術)は人生を変える機会を与えるという、文化振興の大切さをパーソナルな視点から語る。文化振興が軽んじられている日本において、特に重要な意味を持つ作品になると思うので是非見てほしい。
Masato

Masato