ピッツア橋本

ソニック・ザ・ムービーのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)
4.6
“90年代のジェネシスへ”

世界的ご長寿ゲームタイトル、ソニックザヘッジホッグのハリウッド版。

まさに90年代の任天堂VSセガのゲームハード戦争の結末よろしく、日本において本作は興行戦争において名探偵ピカチュウに完敗した。
だがしかし!
映画ファン視線で見ると、名探偵ピカチュウよりも本作の方が面白いと思う。理由を挙げていきたい。もはやこれはレビューではない、セガへの援護射撃だ(笑)

理由はジムキャリーにある。彼はDr.エッグマンというソニックの天敵マッドサイエンティストを演じている。ポイントは原作キャラ度外視で、90年代前半のコメディ映画スターのジムキャリーの怪演を堪能出来ることだ。
近年鳴りを潜めていた顔芸、キレのあるダンス、皮肉たっぷりのマシンガンギャグ、てんこ盛り。
『Mrダマー』『エースベンチュラ』『マスク』などなど、自分のような30代映画ファンならあの頃のジムキャリーを懐かしく、新しく楽しめるはずだ。

そしてソニックのモデリング。このモフモフ感に超音速のグラインドが加わる事で、名探偵ピカチュウの10倍のモフモフ感を演出している!ように見えた(笑)
このひたすら喋りまくって動きまくる感じはルーニーチューンズ的な躍動感があり、ダフィーダックとバックスバニーを足して割ったようなワイルドスピードなキャラクターになっていたと思う。しかもカワイイ。寂しがり屋で人懐っこい。

テーマが何気に良い。「大切な人を守る事以上に大切な事ってなんだ?」地元を離れてカリフォルニアの警官を目指す準主人公に問いかけるソニックのセリフがすべてを体現。目指すものは憧れのヒーローじゃなくて、確かに守るべきものがある生活なのだ。save a life!

エンディングが良い。もうメガドラミニを買わなくちゃっ!てなるドット絵で躍動するソニックに90年代の濃密な香しさがあった(笑)そして本作に黄色いアイツが出なかった理由が発覚するビッグサプライズもあり、もう満腹。
based on the SEGA VIDEO GAMEというクレジットに何か強烈にグッと来た。まあ当たり前の表記なのだけれども苦笑

映画なのかゲームファンなのか分からなくなるレビューを書いてしまい恐縮ですが、普通に何の予備知識なく楽しめる、絵もセリフもクールなアニメーション映画だったと思います。
ピッツア橋本

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