1819年イギリスのマンチェスターで実際に発生した「ピータールーの虐殺」の全貌を描いた歴史ドラマ。
ナポレオンとの戦争が終わった後で、重税などによる貧困の悪化に伴い失業者が多く発生した当時のイギリス。貧富の差も歴然で貴族中心の政治に打開策を見出せない労働者たちは、不満を募らせて抗議活動へと身を投じていく。それがやがて6万人に及ぶマンチェスターでの集会へと発展する。
大枠のストーリーはこんな感じですが、これを伝えるのに2時間半は流石に長過ぎた。話自体がまだ分かりやすいのは幸いですが、物語を牽引する主役と言える登場人物はいない。
キャストも有名な人はほぼ使っていなくて、強いて言うならメインの活動家であるヘンリー・ハントを演じたロリー・キニア。「007」シリーズでもタナーを演じた彼くらい。
主題のピータールーの虐殺の場面は徐々に混沌が進行していき、やがて会場全体がパニックに陥る様子はリアルでした。一方的に民衆に剣を向ける義勇軍。成す術なく逃げ惑う一般人たち。結果数百人の死傷者を出すイギリス史上でも最悪レベルの虐殺になってしまう一連の描写は圧巻。
ただここに行き着くまでは映画始まってから2時間15分ほど。それまでの労働者側と貴族側のそれぞれの描写は重みがあって悪くありませんが、娯楽らしさは全く無いのでちょっとしんどかったですね。