リフレクションのハレルヤのレビュー・感想・評価

2014年のウクライナ。外科医のセルヒーは、検問所でロシア軍から襲撃を受け、捕虜にされてしまう。暴行や拷問など壮絶な目に遭うも、捕虜交換で釈放される。日常生活に戻ろうとするもトラウマに苦しめられ、12歳の娘と共に困難を乗り越えようとする姿を描いた物語。

今もなお続くロシアとウクライナの戦争。本作の製作は2021年でロシアからの侵攻が始まる直前。日本での公開は翌年。まさに戦禍真っ只中。今の混沌の時代だからこそ見る価値がありそうと思い鑑賞しました。

セルヒーの姿を通じて、自身も殴る蹴るの凄惨な拷問を受けたり、外科医だから他の囚人の様子を見たり、死亡確認をさせたり、死体処理もさせたりで、この世の終わりにいるような気分を味わう事に。

何とか帰ってこれてもそこからも続く苦しみ。長回しをずっと取り入れて、カット数も台詞も少ない。音楽も何も無い映像なのに、苦しみと辛さが伝わる内容。

これと同じような事が今もなお続いている現実に改めて大きな衝撃を受けました。一刻も早く戦闘を終結させてロシアとウクライナの地に安らかな日々が戻ってくる事を祈ります。