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LETO -レト-のHisySTのネタバレレビュー・内容・結末

LETO -レト-(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

1980年代前半のソ連、ペレストロイカ前の書記長といえばブレジネフで、若者は徴兵されアフガニスタンへ送られる時代。レニングラードの若きバンドマン達の自由とロックの「夏(LETO-レト)」。
T-REX、デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、トーキング・ヘッズなどが流れるPVさながらのシーンは、抑圧され統制されたモノクロームの世界に鮮やかに色を指して、ロックの自由さ楽しさにあふれ、胸が熱くなる。ブロンディのエピソードもいい。
西側のレコードは入手しにくくオープンリールのテープを何度も何度も聴いて、ルー・リードを翻訳するマイク。彼のロックへのリスペクトと情熱がこの後ソ連のロックを変えていくことになるのだろう。
「労働者階級」で「人民木工技術学校(?)」出身のヴィクトルの作る曲はニューウェイブ・パンクフォークのようだったが、当時ソ連ではロックはブルジョワの音楽だったらしいことにも驚く。
彼らと同じ世代、もし当時のソ連に生まれていたら自分もこんな青春時代を送っていたのか。「若いイカれた奴らのパワーにはかなわない」と眉をしかめて呆れられる、イカした若者になってみたかった。
最高。
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