リラリオ

ある女優の不在のリラリオのレビュー・感想・評価

ある女優の不在(2018年製作の映画)
3.5
「夢砕け散った…マジ絶望…今から死にマス」
イランの小さな村に住むマルズィエは、有名女優ジャファリに憧れ、猛勉強の末テヘランにある超難関芸術大学に見事合格するが、家族の裏切りによりその夢が絶たれてしまう。
「ジャファリが家族を説得すれば…もしかして…」マルズィエは、すがる思いでジャファリに連絡をする。しかし何度連絡しても、応答なし。
「オワタ…」
人生に絶望したマルズィエは、首に縄をかける。スマホ落ち…ここで動画終了。

「つうか…電話もメールももらってねぇんだけど…」
見ず知らずの少女から、恨み節なのか遺書なのか何なのかよーわからんおっかねぇ動画が届き、ビビり倒す大女優ジャファリ。
しかし動画には疑わしい点多々あり。
ジャファリは絶望少女の死の真偽を確かめるべく、親友の映画監督パナヒと共に村へ向かう…。

クラクションおやじ→紅茶じいさん→墓地探し→Uターン→墓穴ばあさん→喧嘩→へそを曲げるパナヒ…何だかんだあったが、村に無事到着。
村に着くなり、サイン・撮影会始まる→「停電、断水ばかりで困ってる!助けてくれ!」映画監督に詰め寄る村人→「あの…そういうんじゃなくて…マルズィエって子、知りませんか?」→「はぁ?助けに来たんじゃねーのか!あんたらあのバカ娘を探しに来たんか!みんな帰ろうぜ!」
歓迎ムードから一転、村人たちは蜘蛛の子を散らすように去っていく。
「えっ?どういうこと?」
そこに1人の男が近づいてくる。
「マルズィエは敬遠されてるんっス!マルズィエの妹が、家案内するっス!」

おしゃれキャットマリーリュック少女の案内でマルズィエ自宅へ…。
2人を歓迎するマルズィエ母となぜかブチ切れるマルズィエ弟→「帰れ!アイツは大学には行かねぇ!」→ポカーンの2人→母、暴れ倒す息子を閉じ込める→「実はマルズィエ、3日前から行方不明なんです…」
頭はいいが思ったことを口にするマルズィエは村の厄介者→大学行きてぇ!と言い出す→結婚させれば進学諦めるだろう→結婚するから受験させろ!→どうせ受かりはしねぇだろと受験させる→運悪く合格してしまう→どうすんべぇ…今に至る。

マルズィエのいとこに会う→動画の送り主はマルズィエであることが判明→「やっぱ虚言じゃん!」→「家族が体面を保つために隠蔽したんだ」映画監督ならではの発想→茶屋にてクラクションの謎解ける→ルールと共通認識→おやじたち「芸人は役立たず!」→村に住む伝説の女優シャールザード→「今は1人っきりで惨めに暮らしてるぜ!」

マルズィエを発見!やっぱり生きていた→「てめぇ!」ブチ切れるジャファリ→「ひぃぃ!許して」→怒り収まらず、ぶん殴る→「私を救えるのはあなただけだった…だから嘘を…じゃあ、もし正直に事情話して頼んだら来てくれました?」虚言小娘、逆ギレ→やってられんわ!→「見捨てないで!弟に殺される!私をかくまってくれたシャールザードさんの家も燃やされるぅ!」
マルズィエよ…やらかしの後始末、さあどうする?

瀕死の絶倫牛、世の中に怒りを抱いた伝説の女優、目くそ鼻くそ、ドライフルーツとポエムCD、「お決まりの涙と哀悼」ネタばらし、包皮の行方、奇妙な村の習慣、だらしがねぇ婚約者、おもてなしの心、割れたフロントガラス、クラクション、歩く2人…。

こじらせ田舎娘による盛大なかまちょ大作戦。
小娘の虚言と映画監督のミスリードに、疑いつつも翻弄される大女優…
とばっちりを食らいまくる映画監督…
大女優に仕事をすっぽかされ途方に暮れる映画スタッフ…
虚言女も家族に裏切られ…
男尊女卑…
体裁…
皆、振り回されっぱなしの100分でした。
リラリオ

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