潜入ものとして随所に皮肉の効いたジョークを挟みながら、スリリングさもある娯楽作品であるが、白人至上主義のクソさや黒人差別の酷さとブラックパワーを強烈に描く社会派映画でもあるこの潜入の話は1979年のアメリカの話ではあるけど、ラストにこれは今のアメリカにも通じる話であることに気付かされる構成は、上手いし怖いしでゾッとする。そして、スパイクリー監督のトランプ政権と今のアメリカ社会への強い怒りを感じる。
正直、スパイクリー監督の黒人としての主張が強すぎて、白人の描き方に疑問は感じる。それはKKKの思考は最低だしアホだとは思う。でも、極端にバカとして描きすぎてる感じはある。対比構造として分かりやすくはあるけど、監督の恨み憎しみが前面に出すぎて引っかかった。