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ブラック・クランズマンのTSのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.6
【KKKの企み】77点
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監督:スパイク・リー
製作国:アメリカ
ジャンル:犯罪
収録時間:128分
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これで2019年のアカデミー賞作品賞ノミネート作品は全て鑑賞したことに。コロラド州にて最初の黒人警察官になったロンを主人公とした伝記映画。今作を見るにはKKK(クークラックスクラン)の知識が必須ですが、知らなくてもこれを見たらこの団体のヤバさといいますか、恐ろしさを痛感することでしょう。

警察に就任したロンは情報部に配属され、黒人差別団体であるKKKについて調べ上げることになる。ある時、この組織に潜入するべくKKKに接近するのだが。。

今作のジャケットの真ん中にも堂々とありますが、白い布で目の箇所に穴があけられているこの被り物こそ、KKKの象徴ともいえる代物。南北戦争が終わってから黒人差別がなくなったかと思いきや、やはり一部では同じテーブルで黒人と飯を食べることなど許されない人間たちも存在し、そういう同じ思想の者たちが集まった秘密結社がKKKなのです。彼らは夜な夜な黒人の家を襲撃したりするなど、黒人からすると恐怖の対象でしかないのです。今作はその団体の真実に迫る作品でして、緊迫感が所々漂っています。

ロンは黒人であるため潜入といっても限界があります。そこで白人警官のフリップに潜入を頼むという一人二役を演じていき、彼らの企みを暴いていきます。映画史上もっとも賛否が分かれる作品といってもいい『國民の創生』を彼らが熱狂して見ているのはかなり印象的であり、不気味でもありました。彼らに、黒人の何がいけないのか?という質問をしてみたいところ。恐らく、誰もが納得できる答えは返ってこないと予想できます。彼らは、生まれてから黒人は穢らわしいものと教わってきているのですから。極端な話で大変申し訳ないですが、我々の感覚でいうとゴキブリと同じテーブルで飯を食えるのか、という感覚に似ているのでしょう。感覚というのは恐ろしいものです。

いつしか完全に人種差別が無くなる日はこないのか。そういうことも考えさせられる深い映画でありました。
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