Yukenz

ドッグマンのYukenzのレビュー・感想・評価

ドッグマン(2018年製作の映画)
3.4
お人好しでちょっと抜けてる冴えない男マルチェロ。娘を何より大事にしながらドッグサロンを営み穏やかに生活していたが、町の暴君シモーネに絡まれ、いいように使いっ走りにされる。
暴力による不条理がまかり通るのは見ていてしんどい…

そしてある事件に巻き込まれ、マルチェロは仲間からも見放されて相手にしてもらえない。町の人たちの長年の願いを独りで成就しても、誰にも見向きもされない悲しい仕打ち。

シモーネさえいなければ彼の人生は随分と違っていただろう。関わってしまった事は自分ではどうすることも出来ないが、しかし一方では彼の力の魅力に惹かれ、その旨みを部分的に甘受していた。

結局は悪の根源であるシモーネ当人はもとより、関わったマルチェロにも罰が下る。因果応報というのだろうが、運も悪かった。
タイトルは皮肉にも悪い飼い主に当たった犬に例えているということだろうか。

こういう事態は自分にも降り掛かる可能性もあり、恐ろしい。
人は弱いもので目の前の誘惑には負けやすい。怖い人たちには近寄らず避けてとおって、人に迷惑をかけずに適度な楽しみを持って生きていくのが、理想という訳ではないけど、現実的なところか。
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