フライ

沖縄スパイ戦史のフライのレビュー・感想・評価

沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)
4.0
太平洋戦争での沖縄戦で、自分の知らなかった、アメリカ兵以外に沖縄民間人の命を脅かす腹立たしく、悲しい事実があった事を教えてくれるドキュメンタリー映画。

沖縄戦においての悲惨な出来事は、色々な作品やニュースなどである程度は知っていたが、本作内容は知らない事が多く、何故表に出てこなかったのか観て理由も分かったが、同時に強い衝撃を受けた。

中学生位の少年達が兵隊として駆り出され、理不尽な理由で死んで行く話や、波照間島に於いて兵士の為の食料確保や、身勝手な理由によりマラリアが蔓延する西表島へ住民全てを強制移住させ3分の1の住民が病死したり、挙句の果てには民間人はアメリカ兵に捕まると情報が漏れる恐れが有ると言う理由で、軍による命令で同じ地域の人達によりスパイ名目で殺されたり、処刑させる行動を取らせる法の存在など、聞くに堪えない事ばかりだった。

本作内容は、戦争により沖縄の人達が悲惨な思いをしたと言う事実もあるが、同時に未来への警鐘も感じさせてくれた。
戦争になった時、"国"を守る為、政府や軍がどう言う行動を取り、いざとなった時、国民がどう扱われるかが分かるので、全ての人に観て欲しいが、かなりショッキングな映像や内容が有るので、ストレスを受けやすい人には勧めずらいが、それでも日本人全員が認識し、しっかり考えないとならない事なのは間違い無いと思えた。

今後戦争は絶対に起こらないとは言え無いだけに、真実を見抜き自分で考えられるだけの能力を身につけ、国や政府の動静をしっかりと見つめ、判断、行動が出来る人間になる必要があると感じさせてくれた。
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