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『沖縄スパイ戦史』に投稿された感想・評価

Gocta

Goctaの感想・評価

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太平洋戦争末期の沖縄戦において、山中に潜みゲリラ活動を行う少年兵からなる護郷隊、波照間島住民の強制移住、軍によるスパイリスト掲載者の殺害など、軍による表の戦闘ではない戦闘を、当時の関係者や研究者へのインタビューを通して描いた映画。いかに沖縄のことを知らないのか痛感。

上映後の監督のトークショーも良かった。
この映画、作ってくださってありがとうございます。
知らなかったことがたくさん。
アパホテル鑑賞。インタビューを中心とした内容。
映画ではなくテレビのように感じた。
本土北側の戦い当、知らない沖縄が見えてきた、、

マラリア怖い。

生き残ったから、しっかり後世に伝えようとされてる気持ちはすごいと思った。
          陸軍中野学校の原罪

中野学校卒業生は教員になりすましたり、民間人を利用する秘密裏の作戦遂行のために隊長として赴任し、10代半ばの少年兵(護郷隊)を編成。村人から信頼を得る「人たらし」であった。しかし、民間人同士で監視させ、足手纏いの老人や女性子どもはマラリアが蔓延する島や地域に押し込め(波照間島の島民の3割が死亡)、民間人同士が互いをスパイだと疑心暗鬼になり密告、殺害し合う地獄を生み出すきっかけを作った。

ドキュメンタリーとしての厚み重み深みは、これ以上ないほど。入念な取材で裏付けされている。監督は毎日放送、琉球朝日放送の元アナウンサーで現在はジャーナリストの三上智恵。戦争映画、とくにドキュメンタリーにはスコアつけないことが多いのですが、これはぜひ観てもらいたい作品であり、これだけの濃厚なドキュメンタリーは貴重なので満点つけました。

2018年、ようやく口を開いて語ってくれた人たち。村人同士が互いにスパイではないかと監視しあい、自分は助かりたいために、人を密告。密告した人たちは最近まで存命だった。事実を知っていても語れなかった長い戦後。また、米軍に殺されたら補償は出るが、日本軍や民間人に殺されても補償が出なかった背景もある。

スパイと言ってもいわゆる本当のスパイではない。スパイと言われた人は軍に協力して、秘密基地に食品を運んだり提供したりした民間人であり、戦前に留学等で外国語を習得していた人たち等も含み、万が一米軍に捕まったら、(陸軍中野学校卒業生とは違って)拷問されたら基地の場所や作戦などを白状してしまうのではないかと疑われた。その疑心暗鬼と恐怖は当然、陸軍の兵にも広がっていた。

島人は本土人より民度が低く信用できないので、うまく利用はするが足手纏いになったらうまく始末すると、記録が残っていた。恐ろしく冷徹であり、国を守る(国体護持)ことが任務で、民を守ることは任務ではなかった。これは陸軍中野学校の思想であり、教書として残っている。

語れる人たちもまた高齢であるが、PTSDに悩まされ、戦場にいると思い込み、突然ほふく前進したり、パニックになる発作を長いこと抱えていた高齢者もいた。まだ15歳の少年が体験するには想像を超える酷な体験。米軍を森で見かけ、恐怖のあまり失神するほどのまだ幼い子どもたち。その子どもたちも日々の死にマヒしていく。足手纏いになると殺された。

先に市川雷蔵主演の「陸軍中野学校」を観ておいてよかった。どれだけ彼らが冷徹さを身につけ、それも洗脳によっていたかがわかったから。自身が身につけた洗脳法を良かれと思い、自身も再現していく。最初は熱く語る親しみやすい素敵な兄貴として少年達の前に登場。しかし、裏切り者は私刑にさせるように追い込む。自分がスパイだから、世の中の人を疑うことしかできなくなっていた。彼ら自身がスパイであったことが招いた地獄だった。スパイという原罪。

米軍が撮った少年兵や民間人の虐殺のカラー写真や動画が数多くあり、閲覧注意です(でも見ました😢)。埋葬する場所がなく、浜辺に何十という数のご遺体が放置されていました😢。

陸軍中野学校卒業生は、敗戦後、特別のお咎め無しで、経営者になったりしています。でも、波照間島ではその軍曹の名前を戦争マラリアの慰霊碑に刻みこみ、この男の指示でマラリアで島民が多数亡くなったことを忘れないように遺しています。

少年兵の憧れの的だった二人の隊長は、陸軍中野学校らしく、誠を尽くし、戦後、すべての少年兵の家に謝罪に行き、生き残った子どもたちには就職斡旋していますが、許せない家族も当然います。

最後に、現代の(自衛隊の)基地問題に触れていました。基地は島民、国民を守らない。守るのは基地と国(土)。自衛隊の規則も陸軍中野学校の教書と変わりなく、住民利用と協力可能な物の収用可であること。基地があれば真っ先に狙われると。

長文失礼しました。
これだけの充実したドキュメンタリーは貴重だと思います。

陸軍参謀より恐ろしい中野学校。

⚠️イデオロギーに関しての議論はご遠慮ください。
mh

mhの感想・評価

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本当の戦争とはどういうものかがわかる優良ドキュメンタリー。
沖縄戦に付随して目にする「ひめゆり学徒隊」「鉄血勤皇隊」「対馬丸事件」などのワードがほぼ出てこない。
メインは陸軍中野学校の関係者が組織した「護郷隊」について。ほか、「戦争マラリア」にも触れている。
・住民とともにゲリラ戦を展開する。
・スパイ行為は処断される。
・軍の都合で切り捨てられる。
などなど、住んでいるところが戦場になれば、いったいどうなるのかということを具体的に示してくれる。
初期の陸軍中野学校ならいざ知らず、戦争末期のそれは募集人員の増加や、促成栽培への方針変換で有象無象も多くなったと聞く。沖縄にわたった、42名もその手なんだろうなあと思いながら見た。
偽名を使って国民学校に入りこむ。軍の命令を受けたとたん隠していた日本刀を振りかざすとか、どんな悪役よ。どう考えても優秀な人材じゃないんだけど、戦後は別の仕事で成功したようで、世の中の理不尽も味わえる。
結果的に、住民を使い捨てたひともいたいっぽうで、戦後になっても交流が続いているひともいたとのことだった。
戦争マラリアは初めて耳にするトピックだった。ナチスドイツの絶滅収容所関連でよく聞かれる「四人を相手になぜ反抗しなかったのか」という問いよく似た状況。これに「若い人は取られてもういなかった」「空腹と疲労で歯向かえない」という答えが返ってくる。
・水をかけたら15分で爆発する登戸研究所が開発した「ハハリウ」
・使役によって、スパイ疑惑がかけられる。
・住民同士の密告で、無関係なひとが殺される。
・現行の自衛隊法でも、同じようなことが起こりえる。
みたいなトピックもあった。
この手のドキュメンタリーは(スポンサーの影響もあるんだろうけど)左がかってることが多い。それを感じさせない誠実な作風だと思っていると、唯一、元自衛隊の講演者がそっちがわのひとでずっこける。
左がかったイベントの講演料で食ってるせいか、バキバキに仕上がった自衛隊disをやってくれる。これはむしろ逆効果だよなぁと思った。
逆にいえば気になったのはそこくらいで、あとは全部よかった。
面白かった!
saodake

saodakeの感想・評価

5.0
知らなかった事実が多すぎた。
確かに沖縄戦と言えば南部の戦いのことしか知らなかったかもしれない。これは北部での戦争が主題。
ずーっと少年兵が死ぬ話が続いて胸糞悪い。
全ては国体護持のためという言葉がね。重い。
よく思うけど沖縄をここまで地獄にしたあとで米軍基地を集中させるって鬼畜にもほどがあるだろ。
いつまで沖縄を踏み付けにするのか。
それにしても最後の場面は涙無しに見られない。
熊

熊の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

「日本を守る」とはそこで暮らす人々を守ることではなく国体を守ることなんだなと
かおり

かおりの感想・評価

5.0
私の知らない戦争の素顔が、そこにあった。

沖縄の沢山の人たちが亡くなった攻撃の事とか、そんな内容を想像していたのを見事に打ち砕かれた。

もっとドス黒い、人間の、戦争の、“本当の顔”

少ない点数なんて付けられない。
本来なら、そもそも評価することなんて出来ない。

言葉にならない。

ただ、ただ、受け止めきれない事実をひたすら飲み込んでいくしかない、そんな映画です。
【帝国軍から自衛隊まで。変わらない体質】
アメリカ軍との地上戦の裏で、沖縄に蔓延っていたのは「あの人はスパイなんじゃないか」という疑心暗鬼な歪んだ関係性。それは同じ日本兵同士、時には住民に対しても向けられる。
本土から舞台変わって波照間島。そこに現れた一人のスパイ。学校の記録には残っていないけど、人々の記憶には確かに存在していた。すこしミステリーにも感じる彼の名は山下虎雄。
自衛隊も有事の際は住民を利用して国土を守るのか?沖縄戦の教訓は生かされるのだろうか。沖縄戦を超えて日本の将来について不安を覚えてしまう内容だった。
MAAAAA

MAAAAAの感想・評価

4.5
沖縄戦の事はあまり知らなかったので
関連するものを見てみようと見た1本目

言葉になりません。
悲しみやツラさを通り越して
怒りのような感情が。。。

スパイ学校?
スパイ?
理解できない出来事ばかりで

まだまだ知らない事多いので
色々と見てみようと思います。

すごく見やすいドキュメンタリー
見る価値あります。
「沖縄戦の事忘れないで下さいね。
忘れたらまた地獄がきます。」
エンドロールで流れた言葉が耳から
離れません。
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