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Diner ダイナーのblacknessfallのレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
2.6
蜷川実花はまったく合わない監督なんだけど、原作好きだし玉城ティナが出てるから観てしまった。

蜷川実花は必ずヒラヒラ~って花びら的なものを画面に散らすよね。言ってみればジョン・ウーが鳩🐦️飛ばすのと同じでトレードマークなんだけど、蜷川実花の場合これしかできないだけに感じてならない。
ジョン・ウーは他に色んなテクや演出のスキルがあってそれらを巧みに配置して、ここぞって時に鳩🐦️が飛ばすからかっこいいし、個性やこだわりを感じるんだけど、蜷川実花はもう終始ヒラヒラさせてるだけだよな。
絵面を映えさせたいという漫然とした意図しか感じない。しかもメリハリがないから効果も薄いんだよ。

出てくる人もヒヤッハーしてるアッパーなヤツか変に力みかえってるのばかりで、記号的にヤバい人達ですと言ってるだけでハデではあるけど怖さもファニーさも浅くてつまらない。

殺し屋専用のダイナーとそこに集まる殺し屋達の話という異常な設定で、ダイナーを仕切るシェフや殺し屋達のこの世ならぬヤバさが売りなんだけど、これがマジで表層的でツラい笑
シェフ役の藤原竜也は腹から声をだしミュージカルような発声で「俺はここの王だー♪砂糖~の1粒まで俺に従う!」とイキる。かなり個性的なセリフ回し。けど、これが壊滅的にダサい笑
まあ、藤原竜也はどの映画でも無駄に力んでて何気に映画から浮いてることが多いけど、この映画に関しては世界観にマッチはしてるんだよな、蜷川実花と相性はいい笑

原作は平山夢明さんらしいグロテスクで凄惨なバイオレンスとブラックユーモアたっぷりのシニカルでダークな作品なのに、見事に良さが全部磨り潰されて蜷川実花のアッパーでカラフルなだけの表層的な奇人変人大宴会に変換させられてしまって、残念だけど予想通りの出来映え笑

カラフルって言ったけどやたらと色調をビビッドにさせて画面を変な色にするから目が疲れるだけなんだよな。これも効果的やれば活きるんだろうけど漫然とやってるだけだからな、、笑

まあ、でも、お目当ての玉城ティナがかわいく撮れてたからよかったかな。殺し屋の嬲られて怯える玉城ティナ、ジェフの身勝手にキレて怒る玉城ティナ、ボゥーっと突っ立てるだけの玉城ティナ、全部愛おしかった😍
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