このレビューはネタバレを含みます
大上亡き後、広島裏社会の治安維持のため汚れ役を受け継いだ日岡。暴力団がビジネスヤクザになった平成の世に、凶暴な男・上林が刑務所を出てきてその均衡をぶち壊すというノリは大好きです。上林の破滅願望のある所はヒース・レジャーのジョーカーみたいです。幼少時のトラウマで殺した相手の目をくり抜くというサイコパスなんですが……そこまで酷いことをやっておきながらこれまでの鈴木亮平の民放ドラマのイメージが強くなってしまい完全なヒールに見えなかったのは自分だけでしょうか。同じ在日朝鮮人であるチンタとの間に通じる複雑な同胞の感情も描かれております。
服役中に散々いたぶってきた刑務官の妹を強姦殺人し、目上のハンパヤクザを次々に殺して勢力を伸ばしていくところでは鈴木亮平の一重瞼の目が実に恐ろしい感じでした。
また今回は上林率いる武闘派ヤクザ集団だけでなく県警本部とも戦わなくてはいけなくなった日岡ですが、背中を刺されたり腹を拳銃で撃たれたり二階から落ちたり上林と殺し合いをしたりと本当に散々な目に遭います。
相方となる公安出のロートル刑事中村梅雀と宮崎美子のフェイク夫婦スパイぶりも良かったのですが、滝藤賢一演じる管理官も光っていましたね。ああいう権力を持った小悪党を演じされたら非常に上手い。
ですが……前作があまりにも良すぎたのか思い出補正なのかわかりませんが、今作はあまり心には刺さりませんでしたか。最後の狼探しシーンとか蛇足感ないですかね💦
