新たな時代。
平成。
大上の跡を継いだ日岡。
素晴らしい続編だった。
良くも悪くも“昭和”だった前作から
先の時代の語りになっていると感じました。
昭和が終わった日本にまだ狼は残っているのか。
「狼は強すぎるから人間様に滅ぼされた。」
と嘯くヤクザ様、人間様。
ヤクザも平成のビジネス時代に向かっている。
残忍な方法はヤクザのやり口じゃないらしい。
最早過去の遺物となった上林。そして日岡。
彼等は狼?狂犬?凶犬?それとも…。
なぜ生きているのか、
または生かされているのか。
そしてどう生きていけばいいのか。
“人生”に迫っていく映画だった。
孤狼を探し彷徨う幕切れは、
煙草をふかす狼の後ろ姿が見えていた前作から
かなり遠くまで来たことを実感する。
狡兎死して走狗烹らる。
それでも孤狼足らんとする人々の哀愁、愛着。
消えゆくアウトローへのお手紙だ。
人間様がどんどん増えゆく令和の時代に
まだ狼はいるのだろうか。
次の時代はどうなってゆくのだろう。