2021年は「すばらしき世界」「ヤクザと家族-the family-」の2本の傑作によって、ヤクザ映画がもう描けなくなると思われていた。そこにきての「孤狼の血」である。
副題にあるLEVEL 2の看板に偽り無し。
とんでもなくパワーアップしすぎていて、正直言って逃げ出したくなる瞬間も目を覆いたくなる瞬間もありました。なぜか？
ぜんぶ、鈴木亮平のせいだ。
もう、噂には聞いてたけどここまでとは…
とんでもないです。出てきて5分で極悪を目撃して、それからずっとこの恐怖につきまとわれる…鈴木亮平と緊張感はこの映画の全画面で同居してます。ご注意を。
そして、役所広司から主役を引き継いで今や日本一の役者というべき松坂桃李。
ただ正義を闇雲に追いかけていたまっさらな前作から、公権力の側にいながらヤクザを支配するというグレーゾーンに闇堕ち気味でいながら、己の大義を果たそうとする。今作でもすごかった。
個人的にはこのキャストの中で違和感のすごかった西野七瀬がめちゃくちゃよかった。蔑む目がすごく良かった。。笑
わかりやすく魅せる映像ではなく、実録感をもたらすリアリティな映像と、暴力に添える音がとてつもなく、しかもアクションまで含めて白石監督が圧巻でした。
かかってこいと言わんばかりの迫力にただただ圧倒されながら、拍手するのみでした。
あと、吠える滝藤賢一大好きだな、俺。
