柚月裕子さん原作ですが完全オリジナル作品として描かれた続編。
原作3作は読了で、2作目の魅力あるヤクザ国光との兄弟の盃や、3作目の虎などは全く登場しない世界。どんな魅力的なキャラと出会えるのかとても楽しみに鑑賞しました。
柚月作品に登場する主人公は過去に暗い背景があり、その重い過去を背負ったまま大人になっている。そんなズタズタに傷ついた少年期を過ごした役を鈴木亮平さんが見事に演じていました。自分の居場所はここしかなくて、周りが同情したくなる境遇に育った少年は、悲しいとか、可哀想なんていう感情は持ち合わせていなくて、社会が生んだ怪物であり、ただ生きるために必死に生きてきた、生きるという本能を抱いたもう一人の主人公上林は、人を虜にし、目が離せなくなるというところがオリジナル作品でありながら、原作の世界観のままに忠実に描かれていて良かったです。
そしてこの作品、日本の名のある俳優さんたちがこれでもかと登場し、この作品をとても盛り上げてくれている。恐ろしい場面も多々ありながら、始まりから終わりまで一時も映像から目をそらす事を忘れていて、圧倒されました。
村上虹郎さんや、特に尾谷組の早乙女太一さんはサングラスをしていても隠しきれない品というオーラを漂わせていました。
そして今、日本を代表する俳優さんと言っても間違いではない松坂桃李さん。前作の辛い過去を乗り越え、必死に大上の志とライターと共に引き継ぎ、孤独なダークヒーローを顔つきまで変えて演じた日岡が素晴らしかった。
広島弁の迫力に圧倒された傑作でした。
