うるぐす

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.7
アイデアによる一点突破だけじゃない!

102分間すべてパソコン画面。
このありそうでなかったアイデア。
それだけでキャッチーで関心を集める。
間違いない。

でも、見終わってみると、それだけではなかった。
サスペンスの王道にして、
新しいファミリー・ヒューマンストーリーの形を見せる、この上ない秀作。

便利にはなったけど窮屈。便利だけどどこが冷たい。そんな言葉が飛び交う現代において、欠かすことのできないインターネット。この世の便利さを劇中に感じることはもちろんだが、それと同時に怖さ、危うさ、他人の不鮮明さ。「おとなの事情」という映画にもあった、自分よりも自分がスマホやらSNSの中には、いて、他人には決して見せ得ない一面だったりがそこにはある。
本当のことを伝える相手に言えないからこそ、すれ違うし、けれどそこにドラマが生まれ、変化が起こる。

ありとあらゆる伏線が飛び交い、それが心地よく回収されていく。心地よく、というか、自分もハッとさせられる場面は多かったけど。脚本がとてつもなく秀逸。

そんな中でも、ネタバレしないようにいうと、前半部分で、父親が、娘とのトーク画面で、入力したのに送らずに1文字ずつ消した言葉、が最後に返ってくるところに痺れました。
これはねえ、
快作ですよ。
本当。

PS
つくづく思うけど、日本のドラマだと、「LINE」が「FINE」に変わってたり、微妙にマイナーチェンジしたりするけど、それって本当に良くないなあ。作品を観る上で説得力を欠いてしまって百害あって一利ない。この映画、FacebookもGoogleもMacもYahooもすべて現実世界のもの。
大事なことだと思います。
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