父の執念
失踪した娘を探すために奔走する父親の姿をスクリーン越しの映像だけで描くサスペンス
面白かったです。
実は、スクリーン越しの映像だけを繋げて一本の映画を作るという試み自体はホラー作品『アンフレンデット』が既に行っていたので、新鮮さという意味での感動はそれほどありませんでした。ただ、この手の作品の強みを最大限に発揮させつつの、飽きさせな為の演出力、画面構成力はお見事というほかありません。伏線が"見える"という新体験。間延びも一切感じなかったです。
脚本も素晴らしかった。
"娘の失踪"をストーリーの推進力としながらも、ネット社会で見え隠れする危険性を提起すると…この問題提起は、ここ数年の映画界ではかなりトレンドなテーマだとは思うんです。ただ、そこにネットのネガティブな面だけでなくポジティブな側面をも描き出しているのが何よりも好印象でした。そしてしっかりと父娘の家族の物語にまで繋げていく隙のなさに感服いたしました。
"今"こそ観る価値がある作品。