よもぎ

リビング・デッド サバイバーのよもぎのレビュー・感想・評価

-
ゾンビ映画というかホラー映画特有の恐怖を煽る効果音が全くなく、とても静かな印象。
しかしメインはゾンビの恐怖よりもゾンビに囲まれた世界でアパートに閉じ込められた男がどう生き延びるか、なので納得の音響効果。普通のゾンビ映画を期待した人には物足りないかも。
でも私には中々面白かった。

死体の扱い方だとかの端々から滲み出る主人公の「コイツ、めっちゃ良い奴だな…」感。
寂しくてゾンビのおじいちゃんを友達にしてしまう感じ。
長い期間1人きりで取り残され限界に達した孤独感がゾンビに食べられてしまうかもしれない恐怖に勝ってしまう瞬間。
人間を最も追い詰めるのは恐怖よりも孤独かもしれない。

ラスト、彼にとって絶対の安全の地であった狭いアパートを出た先に広がる家々の屋根の景色。何処かに安息の地があるかもしれない、他の誰かが居るかもしれない。そう希望を抱かざるを得ない印象的な景色だった。
彼はもう何処かに留まる事は出来ない。
よもぎ

よもぎ