メトロポリタン美術館所蔵の「ゴールドフィンチ(ごしきひわ)」の絵画をめぐる物語。
母親と共に鑑賞中にテロに巻き込まれるという不幸な事故を経験し 天涯孤独となったテオはまだ13歳。
その後 住まいを転々とする事になります。
この絵の作者ファブリティウスも 火薬庫の爆発に巻き込まれて亡くなったのですが
数多くの彼の作品が消失した中で
この「ごしきひわ」は奇跡的に生き残った作品であるようです。
そのような背景があり テオの境遇もまさにこの絵画と同じ。
母親は絵画の知識もあり この話も彼にしたかもしれませんし
この美術館の中で いちばん好きな絵である事も話していました。
またしても爆発で難を逃れたこの絵にテオが惹かれる気持ちも分かります。
冒頭の鮮血に染まったシャツはどうしてなのか?
これも「ごしきひわ」に関係があり
自分のした罪に苛まれているテオ。
絵画が人から人へと渡るように テオも転々と移り住んだ事なども
不思議と絡み合うものであったり
少年時代にボリスと出会い
成人となり また奇跡的に彼と出会う。
何かと運命的なご縁が働いている物語でした。
文学的な匂いがぷんぷんするけれど
何がいちばん押しなのだろう?が掴みづらい。
消化不良の気分になってしまったのは 何故??