フライ

メン・イン・ブラック:インターナショナルのフライのレビュー・感想・評価

3.9
前作のJとKコンビには叶わ無いだろうとは思っていたが、本作ではHとMコンビを補填する小さな宇宙人を加える事で、このシリーズらしいユーモラスな展開と温かさが、絶妙に感じられたので違った面白さが。

子供の頃から宇宙の真理に関心を抱いていた少女モリーは、家に迷い混んで来た宇宙人を探しに来た黒スーツの男達を見た事で、謎の組織MIBに興味を持つ。
テッサ・トンプソンが演じるモリーは、就職先を謎の組織に決めるも20年間見つけられずいたが、自ら組んだプログラムで、流星群に紛れた怪しい光の動きを見つけた事が転機に。モリーは、着陸した宇宙船にいたMIBを見つけ、後をつけ、ついに建物に潜入。見つかり記憶を消されそうになるが、エマ・トンプソンが演じるエージェントOに、自分の優秀さをアピールし、何とか見習いとして採用され、エージェントMとしてイギリス支部へ派遣される。
Mは、3年前にリーアム・ニーソンが演じるイギリス支部長エージェントTと一緒に地球を救ったクリス・ヘムズワースが演じるエージェントHと共に、Hとも仲の良い宇宙人の王族ヴァンガスの護衛をする事になるが、凶暴な宇宙人により命を狙われ殺されてしまう。ヴァンガスは死の間際、Hへの不信感とMIBに何か起こっている事をを伝え、不思議な形をした美しい金属をMに渡すのだが。

前作同様、地球に潜む宇宙人達や、地球と宇宙の秩序を守る為奮闘するMIBコンビのユーモアと緊張感で楽しませてくれるストーリーだが、これ迄このシリーズの面白さを担って来たウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズを外しどこまで楽しませてくれるのかと言う点に、どうしても重きを置いて鑑賞してしまった。個人的には、クリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンの演技は流石だと思えたし、途中キャラの違和感を感じつつも払拭するだけの力強さも感じたが、物足りなさを覚えたのも事実。しかしそこにポーニィと言う小さな宇宙人を加えた事で、ユーモアや温かさを補っていたのが、とても好印象だった。更にJとKの映像を全く使わない潔さや、存在として匂わせながらも、いつもの宇宙人や、MIB3のエージェントOを演じたエマ・トンプソンをそのまま起用している当たりは、しっかり続編としての流れを感じさせてくれたのは流石だと思いながら楽しめた。

MIBシリーズならではの、色々なハイテク装置や、個性溢れる宇宙人達も健在でワクワクしながら見れたのは良かった。
ただ途中何ヶ所か投げっ放しの内容や、匂わせ映像が全く繋がらず、疑問なまま腑に落ちなかったのは残念だった。その点を踏まえ是非続編を見たいと思えたが…。

これまでの前シリーズ3作から感じた人種や家族、MIBと言う職業や宇宙人と言う壮大な視点と多様性などにより、現実社会での人間の器の小ささや醜さ、皮肉まで感じさせてくれたりと、シリーズそれぞれのメッセージや面白さを感じさせてくれた作品だが、本作は多少のやり過ぎ感と違和感もあったが、ユーモアを交えながら更に幅広く色々と感じさせてくれたのは素敵にも思えた。同時にそこが作品としての魅力を削いでいるように思えたのは少し残念だった。
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