社会のダストダス

モンスターハンターの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

モンスターハンター(2019年製作の映画)
2.5
原作ゲームはほぼ未プレイ。ファン補正がないので純粋に映画のレビュー。

自分の大学生くらいの時代はポケモンやってるやつか、モンハンやってるやつかのグループに分かれるくらいに(勉強しろ)、モンハンはPSPの普及と共にこの10年ほどで一躍人気シリーズになった。自分はというとモンハンを昼休みとかにやってる陽キャグループに馴染むことができずポケモン廃人の道に進んでいったのでした。

ポケモンの実写作品がなんだかんだで良かったので、特に原作ファンじゃなくてもこちらはどうなるのだろうと気になってきた。果たしてシリーズを通ってきていない人間が観ても面白いものなのだろうか。監督が「バイオハザード」の人だから、どうせ原作要素は左手に添えるくらいのものだろうかと思いながらも、アクション要素には期待が高まる。

映画の内容はざっくりいうと
「サメ映画」×「エイリアン」×「怒りのデスロード」×「異世界転生モノ」の悪魔合体だった。

「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督と主演ミラ・ジョヴォヴィッチ夫妻の組み合わせ。もはやカプコンの海外広報、バイオから通算5度目のタッグ。
TOHOシネマの幕間のお姉さんこと、山崎紘奈さんもちょい役で登場。受付嬢役と聞いていたけど、そういう仕事には見えなかった。
ロン・パールマンが出ていることは知らなかったけど、見間違えようのない顔面、単騎でリオレウスを狩れそうな厳つさがある。

知ってるモンスターの名前はディアブロスとリオレウスくらい。幸い、その2体がメインの狩猟対象。迫力が凄い、これはおそらく原作ファンも納得の造形なのではないか。
冒頭の船を襲うディアブロス。容赦なく人間を喰らう(モンハンってそんなゲームだったのか)
途中で変な虫の集団(名前知らない)に襲われる辺りからミラ姐さんもタンクトップになり、「エイリアン」感が一気に高まる。ゲーム版の対象年齢は定かではないけど、序盤は割とショッキングな死に方をする人もいるので、そういうのが苦手な人は注意が必要かもしれない。

ジャンル違いながら、カプコン社お馴染みの最終兵器ロケットランチャーに、この世で最も不安定な乗り物、カプコンヘリもモンハン世界にまさかの登場。この監督、まだラクーンシティから帰ってこれてないじゃん。このあたりの「異世界からやってきた設定」は大いに賛否両論がありそう。我々の世界から持ってきたもので役に立ったのはチョコレートくらいだったけど。

期待していたアクションシーン。ミラ・ジョヴォヴィッチとトニー・ジャーのガチバトルが熱かった。(モンスター…?)
モンスター戦以上にガチの命のやり取りを演じる二人。大人げない煽り合いも何だか見ていて楽しい。
映画は基本的にこの二人のサバイバルを見守ることになる、言葉が通じてないのと砂漠のど真ん中ということもあり、全体的に割と静かな雰囲気。お馴染みのテーマ曲が流れるような作風を期待していると、ここも評価が別れそう。

アクション映画としてはそれなりに面白かったけど、100分くらいの内容としては中盤間延びを感じる部分もあった。
モンスターの迫力はかなりすごい。砂埃をポコポコ建てながら移動するディアブロスのサメ映画感や、火をまき散らしながら暴れるリオレウスのゲースロ感、中盤の気持ち悪い虫たちのエイリアン感。
本作では現代兵器が全くモンスターに歯が立たない描写もあり、ハリウッドでも徐々に怪獣モノが市民権を得てきているのかなと感じた。

全体としてはまあまあ・オブ・まあまあだった。