にしやん

永遠に僕のもののにしやんのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
2.5
「ブラック・エンジェル」「死の天使」と称される程の美貌で、わずか20歳で終身刑を言い渡され、アルゼンチン犯罪史上最も有名な、実在の凶悪犯罪者、カルロス・ロブレド・ブッチをモデルに、フィクションとして描かれた美少年ピカレスクロマン映画やな。

映画では強盗殺人を繰り返してたけど、実際にはレイプ、誘拐、 殺した女性から生まれがばかりの赤ちゃんも殺害もしてるみたいやな。赤ちゃんのシーンは撮影したらしいけどあまりにも残酷で実際はカットしたらしいわ。ストーリーは、まるで息をするように窃盗を繰り返してた主人公カルリートスが、犯罪一家と出会ったことで、段々とその犯罪がエスカレートしていき、強盗殺人鬼となって最後には逮捕されるまでを描いてるわ。

それにしても、こんな整った顔立ちの美貌を持つ美少年が、こんなに凶悪な連続強盗殺人鬼やったというギャップ以外にこの映画は何があんのやろな?あたかも彼が同性愛的指向を持ってるみたいなカットをちょこちょこ入れてたけど、これが映画をなんか中途半端にしてしもてるな。事実は多分ゲイとちゃうんやろ。そこ思いっきりフューチャーしてしもたら、事実からどんどん離れてしまうさかい、制作者もでけへんかったんやろな。

多分制作者は、美少年と凶悪犯罪者とのギャップというもん以外になんも見つかれへんかったんとちゃうか?主演の男の子がこれだけの美少年やねんから、その美少年っぷりをもっと生かして、それそのもんを映画の背骨にせなあかんかったやと思うわ。モチーフをゲイに振るっちゅうはいただけんわ。正直これくらいの作りやったら、ここまで美少年の子を主役にせんかて何の問題もなしに出来てまうわな。

主人公の美貌をもっと活かすんやったら、こんな中途半端やなしに、もっともっとクールでサイコパスな犯罪者として描くとか、もっと刹那的で、破滅的な自業自棄人間として描くとか、男とか女とか見境なく圧倒的に惹きつける悪魔的魅力を持った人間として描くとか色々あんのとちゃうか?とにかくこの映画は全体的にダラダラというか、盛り上がりがないっちゅうか。ちょっと残念な出来や。
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