絶望した蝶は薔薇にもとまらない
みんなどうかしてる
もっと自由に生きられるのに
天から舞い降りた神の使者
息をするように嘘をつき、盗み、撃つ
ただ生きているだけ、楽しまなくちゃ
踊りたい時に、踊りたい場所で踊る。
ずっと楽しみにしていた映画。
来日イベントも行って、
ロレンソ・フェロの美しさをこの目で捉えた。
ビジュアルと音楽が最高。
キーカラーは赤。
色と音楽にこだわった映画は大好き。
『シェイプ・オブ・ウォーター』でも、
赤と緑に深い意味を込めていた。
本作も近しいこだわりを感じる。
ダンスシーンがとても好き。
ひとりで踊る姿は、自由で孤独。
ストーリーを象徴しているようだった。
"永遠に僕のもの"
この邦題がパーフェクト過ぎる。
浴槽で煙草を吸うシーンを
ポスターに使用したのもセンス抜群○
キャッチコピーの"堕ちる"も秀逸。
青春クライムムービーとしては、
『牯嶺街少年殺人事件』
『アメリカン・アニマルズ』
と同じ軸で語られているように感じる。
犯罪はおかしてはならないこと。
でも、ささやかな出来事がきっかけで
誰でも犯罪に手を染めてしまう可能性がある。
善悪を問うのではなく、
ひとりの人生を物語る映画。
美しい天使が舞い降りて、
瞬く間に悪魔へと堕ちていく。
ラストシーンの美しさと余韻。