sally

永遠に僕のもののsallyのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
5.0
‪絶望した蝶は薔薇にもとまらない‬
‪みんなどうかしてる‬
‪もっと自由に生きられるのに‬
‪天から舞い降りた神の使者‬
‪息をするように嘘をつき、盗み、撃つ‬
‪ただ生きているだけ、楽しまなくちゃ‬

踊りたい時に、踊りたい場所で踊る。

ずっと楽しみにしていた映画。
来日イベントも行って、
ロレンソ・フェロの美しさをこの目で捉えた。

ビジュアルと音楽が最高。
キーカラーは赤。
色と音楽にこだわった映画は大好き。
『シェイプ・オブ・ウォーター』でも、
赤と緑に深い意味を込めていた。
本作も近しいこだわりを感じる。

ダンスシーンがとても好き。
ひとりで踊る姿は、自由で孤独。
ストーリーを象徴しているようだった。

"永遠に僕のもの"
この邦題がパーフェクト過ぎる。
浴槽で煙草を吸うシーンを
ポスターに使用したのもセンス抜群○
キャッチコピーの"堕ちる"も秀逸。

青春クライムムービーとしては、
『牯嶺街少年殺人事件』
『アメリカン・アニマルズ』
と同じ軸で語られているように感じる。

犯罪はおかしてはならないこと。
でも、ささやかな出来事がきっかけで
誰でも犯罪に手を染めてしまう可能性がある。
善悪を問うのではなく、
ひとりの人生を物語る映画。

美しい天使が舞い降りて、
瞬く間に悪魔へと堕ちていく。

ラストシーンの美しさと余韻。
sally

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