このレビューはネタバレを含みます
ずーっと変わらない景色。
何が何だか分からない序盤。
危うく寝るところだったが、子供への電話を装って通報してきた女性「イーベン」の登場でようやく物語が動き出す。
主人公がイーベンを助けようと必死になるのを見守るうち、ようやく舞台設計の意味を理解する。
主人公は動けない。
「緊急センターのオペレーター」でしかない彼は、事件の現場にも、被害者の家にも、容疑者のガザ入れにも行くことができず、ただ電話を繋ぐしかない。
もどかしさ。やり切れないグルグルとした腹の中の怒り、焦り（ヘビ、なのかもしれない）。これらの感情を視聴者と主人公が共有するために、一切の場面が切り替わりがないんだと分かった瞬間から、この映画に没入していた。
狭い緊急センターの中で、引きのカットすらほとんどなかった。
考え込まれていて、とても面白い作りだと思う。
GUILTYなのは主人公、ってことでいいのかな。
最後、彼は誰に電話したんだろう。
何を話すんだろう。
