ちゅう

THE GUILTY/ギルティのちゅうのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
4.1
画面から男の苦悩が滲み出る。

男は何を背負っているのか。


男の追っている事件の真相が明らかになっていくのと同時に男が何に苦悩しているのかが明かされていく...


約90分ずっと男の顔を見続けることになる。

ほんとはそんなにずっと男の顔なんか見続けたくはないんだけど、なぜか間がもつんですよね。静かなのに。

ただただ表情が素晴らしいんだと思う。
何個苦悩の顔を持っているんだ。

カットもさまざまな角度からなので、それもニュアンスに違いをもたらしている。


最初は男が何を考えているのかわからないし、冷笑的だし、ふてくされてる感じなので、あんまり好感は持てないんですけど、事件を追っているうちに、不器用だけどいいやつであることがわかってくる。

でも、男の事件に対するリアクションはやはり不自然。

事件を解決しようとする苦悩以外の苦悩が明らかにそこにあって、それがさまざまな過剰な反応として出ているようだ。


プロットも秀逸だと思う。
電話のシーンだけで90分惹き込まれ続けるのは本当にすごい。
疑問の提示、男の変化、真相の解明が自然で良くできている。


事件が解決すると同時に、人間の業を見せつけられもするので、感嘆してしまいました。

ほんとよく出来ていた。
ちゅう

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