会社の若いやつに…
「いよいよアベのエンドゲームだぜ…楽しみだなぁ!おい!はぁはぁはぁ」
鼻息を荒くしてると彼が…
「その前に『キングダム』始まりましたよ!面白そうじゃないですか?」
「やめとけやめとけ…佐藤信介監督だろ?アイアムヒーローの30分だけ…彼女の部屋からタクシークラッシュまでのあの30分は佐藤信介…天才!と思ったけどな…それで「いぬやしき」は劇場行ったけど…な…今度は何で中国やねん?やめとけやめとけ…」
「ダメですかね?じゃあシャザムにしようかな?」
「おう!その方が無難だよ」
…とか言ってたのにその夜おれは「キングダム」の最終回に滑り込んだ…
「すまぬ!後輩…お前にはああ言ったもののフィルマのみんなの評判がなかなか良くてな…観に来ちゃったよ」
お断りしとくと…おれは原作全く知りません…中国春秋戦国時代の知識も怪しい…ゲーム三國無双はやったよ!
その程度…
そんなおれですから…いやいやなかなか変なものを観せられてる感じ半端なかったですよ…
つまり、本格的中国時代劇をヤンキーマンガ映画の演技や台詞回しで観せられるという…
よーし…いっちょ…やったろーじゃねえか!
佐藤監督のこの狙い…悔しいけどけっこう当たりかも!
もうマンガ的でリアリティなし!
一人一人の熱いヤンキー演技の度に時間が止まって…あんな間延びした戦(いくさ)があるかい!
ところがシーンシーンの絵作り…これは実に素晴らしい!中国ロケと白組のVFX…これは本当に素晴らしい!
ザック・シュナイダーを目指した佐藤信介監督のやりたかった中国戦国時代でのヤンキーによる「300」(スリーハンドレッド)の再現をけっこう成功させてしまっている。
そのアクションシーンの完成度は出演者たちの身体能力(彼は仮面ライダーだったんですね)と様々な工夫とアイデアによって日本映画では最高レベルだと感じました。
でも実は、変だ変だと思いながらもおれがしっかり最後まで楽しめたのは、ある二人の登場人物が理由です。
それはここでフォロワーの皆様が誉めてる通り…
長澤まさみと大沢たかおのお二人…
このお二人マンガから抜け出してきたぐらいに仕上がっていませんか?
原作知らないおれでもそれが分かるくらいの素晴らしさ!
特に大沢たかお!
絶対この人が出てなかったらこの映画の評価は半分くらいに減ってしまったのでは?と思いました。
登場人物の真似をしたくなる映画は傑作…
首をちょっと微妙にゆらしながら唇に薄笑いを浮かべて少しビックリするくらい高い声で…
「んふーん…そーですか?」
今日会社で…
「キングダム…面白かったぜ」
後輩は信じられない…という顔で…
「え?え?行ったんですか?あんなこと…言ってた癖に!」
おれはバッと腕を組んで…首をゆっくり回しながら薄笑いを浮かべて…
「んふーん?この私がそんなこと…言いましたか?」
似てる?似てる?😸💦