りすん

凪待ちのりすんのネタバレレビュー・内容・結末

凪待ち(2019年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

香取慎吾目当てで見たけど、その前にリリーフランキーの役者としての振り幅の広さに驚かされた作品。

当時、大河ドラマ「いだてん」にも出演していて、その中では新聞社の局長で、都会の洗練された肩に力の入ってない男性だった。
局長まで登りつめたんだから、もちろん仕事も出来る。
型にはまらない主人公を抑えつける訳でもなく、主人公が動きやすいような役職を与えたり、時に暴走しすぎだと封じ込めたり、とにかくとても頭の良い、上品な人だった。

しかし本作では田舎の、狭いコミュニティ内で長年の関係性からそこそこの地位まで登りつめたような工場の社長。
そしてそこはかとなく下衆で下品。
これの凄いところは、下品な事を言ったとか言動があった訳ではないところ。
ベタッとしてねっとりとした視線の動かし方だけで、下衆でいやらしい不快感を感じさせる。
なけなしの理性が衝動をかろうじて抑えつけているだけで、色欲まみれのオーラダダ漏れ。
主人公へ向けられる親切も、どうも裏があるような、見返りを求めているような薄気味悪いものがあるし、それが出てしまっている。
例え社長だろうが、見るからに頭が悪い。

びっくりした。
品格を自分の意思でコントロールできる事って可能なの?
少なくともリリーさんはやってのけている。
本当に凄い俳優さんだと思う。
りすん

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