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ヒトラーと戦った22日間のditaのレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
3.5
@テアトル梅田  

主人公がある問いに対して「人であるならな」と言ったとおり、人が人ではなかった。宴会のシーンでの狂気を見ていたらこっちの気が狂いそうでスクリーンを直視出来なかった。反乱も脱出も解放感とは程遠く、エンドロールで示される事実に愕然とする。

「大量虐殺とは、人間を意図的に大量に虐殺すること」とwikiに書いてある。もちろん間違ってはいない。でも正しくは、人が人を意図的に虐殺するという事実が何百何千何万件も起こったということではないのか。
助かった人の後ろには助からなかった人がいるという事実に向き合わないから歴史は繰り返されるんだと思う。

へらへら笑いながら人が人を殺す。並んだ順番がたまたま10番目だった人を殺す。アウシュヴィッツやソビボルで起こったことを、せめて「磁場が狂っていた」とか「時代のせい」とか「戦争のせい」と言えればと思ったけど、スクリーンに描かれる迫害と屈辱は全て人間のせいだった。
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