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ドクター・スリープのArbuthのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
3.3
「シャイニング」の続編…とは名ばかり?の、全然毛色が違う作品と感じました。スピンオフ作品くらいに思った方がいいのかも。同じ素材でも肉じゃがとジャーマンポテトくらい違う。

「シャイニング」は段々狂いゆくジャック父さんとか追い詰めまれるお母さんの顔とか、人間心理に因ったリアルな恐怖が主軸だったと思うんだけど、本作はかなりファンタジー要素が強かった。正直ホラーって感じはあまりしなかった…。
まぁ作者のキングさんはキューブリックの「シャイニング」はお気に召さなかったそうなんで、こういうファンタジー風味の映画の方が好みなのかもしれないけど。

ローズが夜空を飛行機のように飛んだりアブラがぬいぐるみと入れ替わったりしたところでは、「スターウォーズ EP8」でルークが分身の術使ったときと同じ「さすがにやり過ぎ」感を覚えた。それと頭の中に入り込む精神力バトルみたいな描写はイマイチ伝わりづらかったかな…。

それにしても2時間半は長すぎ!こないだの「it the end」もそうだったけど、もうちょっと尺詰めれなかったの?
ていうか敵が「子供の恐怖をエネルギーにして食べる人さらい」って、まんまペニーワイズと同じ設定じゃないか。同じ作者じゃなかったらパクリ扱いされてるところだ。

と、肉じゃがを食べに来たつもりがジャーマンポテトを出されたので色々と戸惑いはあったものの、ジャーマンポテト自体はまあまあ普通に美味しかった。

まずダンが結局誘惑に負けずにお酒を口にしなかったのは良かったですね。アルコール依存症という父親の負の遺産を乗り越える、というのはこの作品の立派な柱になってたと思います。
あと演出や話の構成はテンポが良くて、長尺の割にずっと退屈せずに観てられました。
あと、一方的にやられる/逃げる展開より、ある程度こっちも敵を追い詰める場面もある方が個人的に好みなんですよね。特に今回は敵が悪党なのでやられても心が痛まないし。なので中盤戦は楽しく観れた。

ただ後半戦、オーバールックホテルの使い方がなー。確かにこのストーリーにあのホテルを絡めようと思ったら自然な流れではある気はするけど…もっと早くメインステージとして出してほしかったし、どうしても「化物には化物(的建物)をぶつけるしかないんだ!」っていう展開が「貞子vs伽倻子」を思い出してしまった。
ホテル内の撮り方は思いっきりキューブリックっぽくて良かったです。

前作との共通シーンの役者比較。
・ダニー坊やは前作の子役の方が可愛い
・お母さん役は本作の方が綺麗
・ジャックはやっぱりジャックニコルソンじゃないと(´・ω・`)コレじゃない感が強い

最後に、全体通して美人多め。ローズ、スネークバイトアンディはもちろんのこと、真の絆の他の女性陣、ダニーのお母さんやアブラのお母さんと、出てくる人大抵美人ばかり。ちょっとリアリティ無いかも…。

更に最後に。猫のアジーが可愛い。長寿。多分shine使える。もっと出してほしかった。
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