スティーブン・キング、またもキューブリックに敗北す。
キングが公開当時からずーっとキューブリックの『シャイニング』をこき下ろしていたのは有名な話で、対抗するために悪名高きドラマ版まで推していたっけ。
とはいえキングの映像化といえば『シャイニング』が挙げられるのが必定。キングははらわた煮えくり返る思いだったろう。無念を晴らすべく蛇足な続編までしたためてしまった。
そしてその映像化。見終わった感想は「･･･小さい」。前半はやさぐれたダニーとシャイニングを持つ少女との交流。シャイニングの魂を啜るジプシーたちとの攻防。何が悪いと具体的には言えないが、まずビジュアルがありふれていて演出も平凡。同工異曲であるHBO『アウトサイダー』のほうが雰囲気がある。後半待ってましたのオーバールックホテル。これが驚くほどショボイ。似た役者を集めての再現ドラマなど頑張っているものの格の違いが･･･。そこじゃなくてカメラのほうを寄せて欲しかった。シャイニングワールドで一儲けするのはかなりの根性がいる。
