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グレイ・ガーデンズのkyokoのレビュー・感想・評価

グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)
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正真正銘セレブリティだったはずのクセスゴ母娘の、一挙手一投足から目が離せない。

娘の頭に常に巻かれたターバンは、スカーフかと思いきやよく見たらタオルだったりニットだったりするのだけど、これ絶対高いだろなピンブローチで止めたらたちまちオシャレ。乳が見えそうで見えない(ていうかメイズルス兄弟にはたぶん見えてる)半裸状態がデフォルトの母親が着る服もしかり。

彼女たちの精神状態は、衛生的に完全に終わっている家と食生活を平気でカメラ前に晒す時点でとてもまともとは思えない。ニャンコとアライグマはかわいいけど、動物愛護の面でも問題あり。
「こんなはずじゃなかった」のはるか向こう側の、リアル浮世とはこういうことなのか。
常にハイテンションで水掛け論を展開するふたりの会話に疲労困憊になるけど、カメラの前でボソリと娘の歌声を褒める母親とたぶん来年も再来年もそこにいるであろう娘の、若き日の美しさだけはほんもので、ちょっとウットリしちゃう。


自分があの地獄の誕生会に呼ばれたらどれくらい耐えられるか分からないけど、80歳まで生きてね!に、来年じゃねーかよ!の切り返しは最高。
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