マツリ

マチネの終わりにのマツリのネタバレレビュー・内容・結末

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最初の方は、石田さん演じる洋子が仕事で
テロに遭遇したりと凄かったけど。
基本的には、静かに話が進んでいった印象。

静かに話を進めながらも、
洋子と聡史の惹かれ合う空気感。
洋子は、婚約者との事。
聡史は、弾けなくなったギターの事。
それぞれで悩む場面。
うまく組み合わせて緩急があったので、飽きる事無く観れた。

洋子の仕事仲間が怪我をして、聡史が家に呼ばれた際。
月明りと蝋燭?の灯りが照らすリビングで、
洋子に師匠のコンサートでギターが弾けず中断した話を聡史がした時。
洋子の友人が別室で寝ている中、キスをした場面は綺麗だった。
大人の恋愛のキスシーンだった。
素晴らしいキスシーンを観た。

擦れ違いのシーンはねぇ。
もう・・・マネージャーの早苗に嫌悪しかない。
聡史に水没させてしまったと謝る時に泣く。
その後、病院の廊下の椅子に座って1人で泣く。
数年後に洋子に会って、真実を話しながら泣く。
お前が泣く!?泣きたいのは聡史と洋子だろ!?って思った。
特に、真実を話しつつ泣く姿には、被害者でもないのに泣くなしと、
嫌悪感がMAXだった。
洋子が水の入ったコップを手にした時に、
顔をうつ向かせたのも嫌悪感。
そこは、正面から受け止めろよ、と。
でも、水をかけなかった洋子、大人。
あの瞬間、洋子圧勝感があった。

そして、真実を知った聡史の場面。
福山さん、ああいう表情の演技も出来るのね。
新たな役者の福山雅治さんを観れた。
凄い。

早苗の印象を少し変えたのは、最後かな。
聡史を送り出す時に、”蒔野さんの好きにして”と
なんとか笑顔を作って送り出す姿。
あの場面で、マネージャーではあるけど、女性で聡史を思っていた
1人の女性なんだよなと冷静に観れた。
でも、真実を知って5か月は一緒に過ごしていたであろう聡史。
こちらも大人だなと感じてしまった。子供がいるからだろうけど。
早苗に対しても愛情があるのを感じ取れた。
5か月後の、聡史と早苗、子供の場面が穏やかだったから尚更。

洋子と旦那さんに関しては、
婚約者だった人と寄りを戻して結婚したけど、
折り合いもつかないまま婚約者も結婚するなよって感じだった。
聡史とすれ違いで別れ、婚約者と寄りを戻した洋子も洋子だけど。
それを良しとして結婚して、結果、浮気して”洋子が憎い”って。
折り合い付けて結婚したんじゃないの!?と驚いた。

最後の再会の場面は、別れたあの日の待ち合わせの約束が
果たされた感があって良かった。
出来たら、しっかり再会したとこまで映して欲しかったなぁ。
最後まで、静かで大人な作品。
マツリ

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