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アルキメデスの大戦のhonokaのネタバレレビュー・内容・結末

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞きっかけは告知の際、戦争ものであるけれど数学者に焦点が当てられていてあまり得意ではない作風ではありますがとても興味が湧いたからです。

やはり冒頭シーンから戦闘シーンで、流血であったりアメリカと日本の力の差に圧倒されたりと衝撃の連続でした。でも戦艦大和のCGは本物と思えるくらいリアリティがあり迫力があり、このアルキメデスの世界観に一気に引き込まれました。

最初はいい印象になかった田中が櫂と協力体制になり、櫂のやり方に呆れてはいるものの自分ができることをするという田中の姿勢は輝いていました。櫂が大和の設計図を完成させた時からでしょうか。櫂に対する田中の抱く印象は大きく変化したと思います。櫂は自分が思っていた以上に凄い方だと感じ取られる部分にそこから田中の熱量が上がったところだと思います。あんなに軍規が軍規が、、と言っていたはずなのに、「これは中尉も協力しなくてはならない」(ふんわりこんな感じだったと思います)といつの間にか櫂よりも絶対に導き出すんだという気持ちが強いように感じ取れました。

櫂&田中のコンビの印象が高かったのには、櫂たちを偵察し絶対に不可能だと嘲笑っていた彼の存在が大きく関係していると思います。唯一上映中イラついていた人です(笑)ずっと櫂たちよりも自分の方が上であると言っているかのように櫂の才能を馬鹿にしていたけれど、櫂が導き出した数式が正確であると示された時のあの表情にはスカッとしました。してやったり!!

男性ばかりの場面が多く、しかも数式ばかりで華やかさが欠けていた部分に浜辺美波ちゃんという美少女が現れたことによって、数式ばかりで堅物という印象が柔らかくなりました。個人的にあの衣装がどストライクにタイプでした。やっぱりあの時代のお洋服は可愛い︎☺︎‪‪❤︎‬

冒頭からエンドロールまであっという間でまだこの世界観に浸っていたいと思える作品でした。また曲も素晴らしくあの曲風であるからアルキメデスの世界観が引き立っているのだなあと感じました。

戦争ものが苦手な方も全然見られる作品です。寧ろこれは戦争ものであると感じない作品です。そこがまた魅力の一つです。

印象的だったシーンには以下のシーンがあります。冒頭シーンに大和が崩れ落ちる場面が描かれていたことでラストシーンの櫂の涙そして櫂の考えていることがわかった気がして心が苦しくなりました。ただ大切な人を守りたいという思いだけで費用を算出し戦争を起こさないという信念に向かっていたけれど、いつの間にか設計という世界に引きずり込まれ自分が感じていないだけで少なからず魅力を感じていたことは櫂にとってショックな場面であったと思います。戦争反対側であったにもかかわらず、戦争実行派側にいつの間にか立っていた櫂の心情を考えると櫂には可哀想なことをしてしまったと、素直に自由に数字に向かい合っていて欲しかったと思うのはいけないことでしょうか? また同じ選択肢を出された時は素直にアメリカ行きの船へ乗ってほしいと思います。櫂の幸せを願って。
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