8637

岬の兄妹の8637のレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
3.5
何も言えない悍ましさが怖い。
松浦祐也の気色悪さと完全変貌を遂げた和田光沙が生み出す陰湿が、逆にこの映画の単調な痛みに繋がっている。昭和映画的な哀愁があったり終盤にギミックが炸裂したりするが、割と不完全燃焼。感情表現が弱いように感じてしまった。最も目を背けたくなったのは糞の描写だった。

虚しさはとてもあった。真理子にとっての本当の幸せが分かる術もなく、彼女も相手の醜悪さを知らずに言われるがままにされてしまっている。真理子にとって恋だったのかもしれないものに、誰も気づかないままで。

そんな片山慎三監督だが、「さがす」はやけに高評価が目立つ。自分もそれの予習のためにこれを観たし。そちらでは楽しみたいと願う。
8637

8637