しまうま

ロミーナのしまうまのレビュー・感想・評価

ロミーナ(2018年製作の映画)
2.3
 あまり、というかとても評判が良くないけど、映像と音響の美しさと、それを伴うショッキングな死体の数々は悪くないと思った。

 素晴らしかったとはお世辞にも言えないけど、他のスリラーものとは差別化できる点がいくつもあるし、決して無駄にならない時間を過ごすことができる気はする。

 ただ残念な点もたくさんあると感じられるので、いろんな意味で惜しい作品。


---ここからネタバレ


 他のレビューにもあるように、最初の大量の死体映像は圧巻。それから徐々にその死体がどのように惨殺されたのかが明らかになっていくんだけど、とにかくもっと惨殺の場面を鮮明に映してほしかった。とくに小屋の管理人はかなりエグい状況だったはずなのに、事後の場面しかないのはもったいなさすぎる。
 どの映画でも言えることだけど、こんな「お決まりの設定、お決まりのシナリオ」の作品なんだから、徹底的にやってほしかった。


 あと主犯の二人の動機がよくわからない点。
 これについては、動機が薄いけど大量殺人を犯した狂気、を演出したかったのだと僕は想像するけど、それならもっと狂気っぷりを現してほしかった。せいぜい「これから殺す予定の女を横に笑顔で自撮りした写真を、その女の恋人に送りつける」程度が限界で、あとは笑顔で人を殴り殺したりするくらい。
 その程度であれば、まあ見る側の想像の範囲内でしかない。今更こんな設定の映画を好んで観る僕のような輩は「そういう映画」に慣れている、ということを作り手にはもっと自覚してほしい。僕らの想像を超えるような狂気がない限り、駄作と言われても仕方ないと思う。
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