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mid90s ミッドナインティーズのslowのレビュー・感想・評価

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捲し立てるようにやりたい放題やって観客に有無を言わさず走り抜けて行く感じからは、古き良きインディペンデント映画のDNAのようなものが伝わってくる。近年あまり観ていなかったな、こういう映画。これがセックス映画だったらラリー・クラークなんだろうけれど、本作は1人の少年の成長記。身に覚えがある人もいるだろう。蛹にもなり切れないうちに孵化を急ぐあの頃のもどかしい感じ。寄り添うでもなく突き放すでもなく、カメラはそれを見つめ続け、わたしたちはそれを見守ることとなる。あわや主人公を喰いそうになるルーカス・ヘッジズの演技も忘れ難いものだったよ。同じくスケートボードの物語『行き止まりの世界に生まれて』と関連付けてレビューしている方も多くて、確かに地続きの物語として観ても面白いと思う。好きなジャンルばかり観ていると頭が凝り固まって来るので、時々こういう作品も観ておかないと。
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