いやー、189分?
そんなのカンケーねぇっ!です。
見事に芸術家の数奇な運命を描いております。
まさか、モデルの画家さんがいらっしゃるとは知らずに鑑賞。
「善き人のためのソナタ」の監督さんだったんですね。いやいや、なるほど。あの作品も好きです。
この、なんと言うのでしょう。確実に伝えたいであろうテーマの一つ(反戦、反ナチだと思いますが)を前面に出さずに、しかしジンワリと胸に響く作品作り、素晴らしいです。この作品も同様です。
我々観客は画面で展開する出来事を目にします。
だから知ってます、物語の中で何が起きてたか?
だから、なんとも歯痒さを感じる展開があるやもしれませんが、物語がこの主人公の画家目線で作られてますから、それは仕方ないこと。
知らないことを知っているかの如く展開したら変です。
ご都合主義映画になっちまいます。
主人公は一人の人間として成長し、芸術家として創作活動に悩みながら、もがきながら進みます。このモデルの画家さんの独白を映像にしたのでは?と思えるほど、丁寧に物語が綴られていきます。
そりゃ180分必要!
そして、芸術家、アーティストとして重要な事に気づけたことが大きなウネリを生み、そしてちょっとだけ観客の溜飲を下げるような話の展開は、うまくいきすぎ、、、でしょうが、上手です。
物語として秀逸でした。
ラストシーン、、、泣きました。
ジンワリ、ホッコリです。