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7月22日のmiiのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
3.8
2011年7月22日
ノルウェーのオスロとウトヤ島で起きた 連続テロ事件。

あの事件に関わった人達の 苦しい心情が訴えかけてくる作品でした。

ビリヤルは奇跡的に助かるも 脳に銃弾が炸裂したために
通常の生活には戻れなくなってしまった。
あの惨劇の光景を目の当たりにして PTSDに苦しんでいる。

兄ビリヤルが銃弾に倒れたが
連れて一緒に逃げる事ができなかった後悔の思いを抱く弟のトリエ。

姉妹が犠牲になっても 自分が生かされた意味を全うしようと
助かった仲間たちを一人一人訪れて
献身的に傷付いた友に寄り添おうとするララ。

複雑な気持ちが伝わるのが 犯人を弁護したゲイル・リッペスタッド。
弁護士の立場上 依頼されたからには引き受けねばならないと
自分の職務を遂行しますが
あの犯人を弁護しているという事で
子供の学校から転校するようにとお願いをされるのです。
なんと非情な親たちか!
その方たちは 自分の職場でも そんな不平等な扱いを平気でするのでしょうかね。
こういう時こそ メディアは彼の平等の精神を称賛し
人々の心を変えてほしいと思いました。

犯人は···スコープで狙って殺すという···
必ず殺すために 2発撃ちこむという···
あの場面は動機が激しくなりました。
このようなリアルな場面を組み込んだ事は
おそらく被害者の反対もあったのでは?

犯人の母親の「息子は間違ってる?」という言葉に
わたしはゾッとしました。
母親であるという事を加味しても 理解し難い言葉ですね。

この過去と向き合うのは とてもとても辛い事だけど
ビリヤルが犯人に向けて「自分は孤独ではない」と言った言葉に
立ち向かう強さと覚悟を感じました。
この言葉が より多くの人に響きますように。

亡くなられた方はもちろんの事
その家族と あの事件の後遺症と戦っている方たちに
心休まる日が訪れますようにと
祈るばかりです。
mii

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