LEONkei

薄化粧のLEONkeiのレビュー・感想・評価

薄化粧(1985年製作の映画)
3.3
鬼畜の道理に理屈はなく本能に支配された下劣な肉の塊が彷徨う伊予二名洲、遁げる鬼畜の顔を薄化粧で濁し惑わすのは悪情と一理の涙か。

ダイナマイト爆破殺人及び妻子殺しで留置中に脱獄した殺人犯〝坂根藤吉(緒形拳)〟、四国を舞台にする逃亡生活と坂根の過去の人物像を描いた実話に基づく作品。

五社英雄のダークサイドへ疾走する滅びの美学は五社の色が徐々に薄まり松竹の色へ染まっていく、交わる色合いは調和し彩り良く表現されているが個人的に不満な箇所も多々ある。

纏わりつくようなねっとり感が漂う描写で過去の坂根を演じる〝緒形拳〟は、強欲と色キチさの絶妙なバランスが中庸コク旨純米酒の様に切れがある。

そのトロみに幻惑し纏わりつく不運な女たちを貪り尽くすも、その心情を吐露することが出来るのか否か..★,
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