このレビューはネタバレを含みます
非常にパーソナルでミニマム。
オープニングは水たまりに映った空。
エンディングもまた空を見上げる構図。
いつもそこには空があった。
モノクロゆえに、それは快晴なのか曇り空なのかは分からないが、きっとどちらも晴れ渡っているのだろう。
クレオの身に起きた事件とその変化を優しく見守り受け止める一家。
カメラはその微細でありながら激しい変化を付かず離れずの距離で捉え、追いかけ、観察する。
望まぬ妊娠と死産という苦しみを一人抱えていたクレオに対する一家の「大好き」のメッセージ。
それはアルフォンソ・キュアロンの朧げながらも確かな感情ではないだろうか。