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ROMA/ローマのOmakeのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.9
監督アルフォンソ・キュアロンの半自伝的作品ということだ。メキシコ出身の彼が幼少時代を過ごした1970年代のローマ地区での生活の記憶がモノクロームの映像の中に収められている。

医者でいつも不在の父、専業主婦の母、母方の祖母、4人の子供達、犬、そして家事から子守までを担う若い家政婦が2人という大所帯の日常が淡々と描かれている。

一方世の中では、世界中でそうであったように、学生による反政府運動が盛んだった。

いくつかの不幸な出来事を経て、この家庭においてもレボリューションが起こったように見えた。

これは女性賛歌の作品なのではないだろうか。

また人種や階級を超えた愛情のあり方にもしみじみとする。縁の下の力持ち、クレオ。一家にとって彼女はかけがえのない存在だ。

壁を作ったり自国優先主義が台頭する現代に対するアンチテーゼのようにも見えた。

印象的で美しい映像が多く、あとから反芻しながら作品に込められた監督の意図を色々と考えた。

もう一度見たい気がする。
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